血液透析について
さいたま市見沼区の内科・血液透析「聖蹟プライムクリニック」では、患者さま一人ひとりに合わせた人工透析治療を提供しています。このページでは、人工透析の種類や特徴、サポート体制についてご紹介します。初めての方も安心してお越しいただけるよう、サポート体制についても分かりやすくお伝えいたします。
人工透析とは

人工透析は、腎臓の代わりに血液をきれいにする治療です。慢性腎不全などで腎臓の働きが低下すると、体内に老廃物や余分な水分が蓄積し、命に関わります。
透析治療では、専用の機械でこれらを体外へ排出し、電解質や水分のバランスを整えます。健康と日常生活を維持するために欠かせない医療です。
透析導入の目安と基準
透析導入の目安

透析を導入するタイミングは、患者さまごとに異なります。年齢や原因疾患、栄養状態、腎機能の数値、血液検査の結果、日常生活への影響、尿毒症の症状など、さまざまな要素を総合的に判断したうえで、透析導入を決定します。
数値的な目安としては、クレアチニンクリアランスが10 mL/分未満、血中尿素窒素(BUN)が80~100 mg/dL以上です。これらに該当する場合、透析療法の開始が検討されます。
血液透析の導入基準
①臨床症状・所見(最大30点)
むくみ・胸水・高カリウム血症・吐き気・呼吸困難・意識障害など、尿毒症や循環・神経合併症が対象
②腎機能(最大30点)
・血清クレアチニン8 mg/dL以上またはクレアチニンクリアランス 10mL/分以下:30点
・Cr 5-8 mg/dL(CrCl 10-20):20点/Cr 3-5 mg/dL(CrCl 20-30):10点
③日常生活障害度(最大30点)
・通勤困難:10点/半日臥床:20点/一日臥床:30点。
・高齢者(65歳以上)や糖尿病性腎症などでは+10点
上記の合計が60点以上で透析導入の適応となります。
3つの評価要素を合計して60点基準を超えると、速やかな導入が推奨されます。
特に高齢者や合併症のある方では、50点以上でも導入が検討されるケースが多く見られます。
血液透析について
血液透析とは?原理と方法

血液透析は、腎臓の機能が著しく低下した患者さまに行う治療です。体内の血液を一度体外に導き、人工腎臓(ダイアライザー)を通して老廃物や余分な水分を効率よく除去します。きれいになった血液は再び体内に戻され、電解質バランスも整えられます。治療は、週3回、1回あたり4~5時間かけて継続的に行われるのが一般的です。日常生活では、食事や水分摂取、内服薬の管理も重要となります。
血液透析は症状の軽減、合併症の予防、生活の質向上と生命の維持を目指す大切な治療です。
週3回の透析、実際の治療スケジュール

血液透析は週3回、1回4~5時間の治療が基本です。月・水・金、または火・木・土の決まった曜日に通院し、生活リズムを整えやすくしています。
来院後は体調チェックを行い、安全を確認してから透析を開始。治療中もスタッフが常に状態を見守ります。
透析前は食事や水分を控えめにし、治療後は疲れを感じることもあるため安静にしてください。服薬や食事についての相談も随時可能です。
血液濾過透析(HDF)について
血液濾過透析とは?原理と方法

血液濾過透析は、血液透析と血液濾過の特長を組み合わせた治療法です。体外に導いた血液を人工腎臓(ダイアライザー)で浄化し、大量のきれいな補充液(置換液)を加えることで、老廃物や余分な水分だけでなく、中分子や大分子の有害物質まで効率良く取り除きます。合併症の予防や症状の軽減にも役立つ治療です。
血液濾過透析のメリット・デメリット
メリット
- 中分子や大分子の有害物質(例:β2ミクログロブリン)を効率よく除去できる
- 関節痛や皮膚のかゆみ、治療後の疲労感の軽減が期待できる
- 血圧低下のリスクが少なく、体への負担を抑えられる
- 合併症の予防やQOL(生活の質)の向上に役立つ
デメリット
- 小分子の老廃物の除去効率がやや低下する
- アルブミンなど、生体にとって重要なタンパク質が一部除去される
- 通常の血液透析よりも時間がかかることがあり、透析液の管理体制を強化する必要がある
- 体内に清浄な補液を戻すため、水質の厳格な管理が求められる
血液濾過透析には、従来の血液透析にはないさまざまなメリットがあります。
デメリットも存在しますが、これまで除去が難しかった老廃物を効率よく取り除けるという点で、HDFは非常に優れた治療法といえます。また、当クリニックでは透析液や水質の管理を厳格に行っており、安心して治療を受けていただける体制を整えております。
血液濾過透析の適用制限と選択基準

血液濾過透析は多くのメリットがありますが、すべての患者さまが受けられるわけではありません。血流量の条件や心機能への負担など、患者さまの体調やシャントの状態に応じて、最適な治療法を選択しています。 医師が個々の状態を丁寧に評価し、安全で効果的な透析治療を提供できるよう努めています。
よくある合併症と、その対策
主な合併症一覧
- シャント感染・閉塞
- 尿路感染症
- 肺炎・結核などの呼吸器感染症
- 皮膚のかゆみ
- 便秘
- 低血圧(透析中または後)
- 筋肉の痙攣
当クリニックで行っている対策

透析患者さまは腎機能や免疫力が低下しているため、心不全や高血圧、貧血、アミロイド骨関節症など、さまざまな合併症のリスクがあります。そうした合併症を防ぐためには日々の生活習慣が重要です。当クリニックでは、十分な透析治療に加え、塩分や水分の制限、リンやカリウムを含む食品の調整など、生活指導も徹底しています。さらに、関節痛や低血圧、かゆみの予防に効果的な血液濾過透析(HDF)も導入。
また、東大宮駅からバスで約10分、無料送迎サービスもご利用いただける、通いやすいクリニックです。血液透析を受けるなら、安心して通える環境と充実した体制を備えた、さいたま市見沼区の「聖蹟プライムクリニック」へご相談ください。
シャントトラブル発生時のサポート
シャントとは?その重要性とトラブルの例

透析治療に欠かせないシャントは、血液を透析装置に導くための血管アクセスです。しかし、詰まりや狭窄、感染などのトラブルが起こることがあります。これらのトラブルを早期に発見し、適切に対処することが透析治療を安全に続けるために非常に重要です。
シャントトラブル早期発見のためのチェックポイント

当クリニックでは、医師や臨床工学技士が定期的にシャントの状態をチェックし、異常の早期発見に努めています。透析中や日常生活で、次のような違和感があれば、すぐにスタッフにお知らせください。
- シャント音が弱い、または聞こえない
- 針を刺した部位が腫れている
- 赤みや痛み、熱感がある
緊急時の対応体制と連携病院

万が一、シャントにトラブルが発生した場合でも、連携病院である埼玉県央病院などと連携し、緊急の治療や手術に迅速に対応できる体制を整えています。安心して治療を受けていただけるよう、万全のサポート体制を整えています。
- 連携病院:埼玉県央病院